農地の許可はなぜ必要か?簡単解説

「農地を売買したり、家を建てたりするには許可が必要です」と聞いたことはありませんか?

なぜ農地だけ特別に許可が必要なのか、その理由をわかりやすく解説します。

1. 農地法があるから

農地に関するルールは「農地法」という法律で定められています。

農地法の目的は、簡単にいうと 「農地を守り、農業を安定させること」 です。

無秩序に住宅地や工場に変えられると、農業ができなくなります。 食料の安定供給を守るために、農地は簡単に転用できない仕組みになっています。

2. 許可が必要な主な理由

(1)農業を守るため

農地は一度宅地などに変えてしまうと、再び農地に戻すのが難しくなります。

そのため、農業を続ける意思がある人以外がむやみに取得できないように制限されています。

 (2)転売や投機を防ぐため

農地を投資目的で買い占める人が出ると、農業に必要な人が農地を手に入れにくくなります。

こうした投機を防ぐためにも許可制が取られています。

 (3)農地を計画的に利用するため

市町村や農業委員会が農地の利用状況を管理できるように、売買や転用には許可が必要です。

3. 許可が必要なケース

行為 許可の種類
農地を農地として売買・賃貸する 農地法第3条許可
農地を宅地・駐車場などにする 農地法第4条・5条許可

許可が必要かどうかは、土地の地目が「田」「畑」と登記されているかで判断されます。

4. 許可を取らずに手続きすると?

無許可で農地を転用した場合、農地法違反となり、工事の中止命令や原状回復命令が出されることがあります。

また、悪質な場合は罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が科されることもあります。

5. まとめ

農地の許可が必要なのは、

食料を安定して生産するため 農地を農業に必要な人へ優先的に確保するため 無秩序な転用を防ぐためです。

農地を売買したり宅地に転用したりする際は行政書士などの専門家に相談するのをお勧めします。